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「歯並びを治すのに、どうして舌のトレーニングをするの?」
小児矯正で「MFT」という言葉を聞き、このように疑問に思う保護者の方もいらっしゃるのではないでしょうか。
MFTとは「口腔筋機能療法(Oral Myofunctional Therapy)」のことで、舌や唇、頬など、お口周りの筋肉の使い方を整えるために行うトレーニングです。
子どもの歯並びや噛み合わせには、歯の大きさや顎の成長だけでなく、舌の位置や飲み込み方、口呼吸など、日常的なお口の使い方が関係していることがあります。
そのため小児矯正では、矯正装置によって歯並びを整えるだけではなく、必要に応じてMFTを取り入れることがあります。
今回は、小児矯正におけるMFTの目的やトレーニングについて分かりやすく解説します。
MFTは、舌・唇・頬などのお口周りの筋肉を適切に使えるようにするためのトレーニングです。
例えば、何もしていないときに舌が低い位置にある、飲み込むときに舌で前歯を押している、いつも口が開いているといった癖がみられることがあります。
こうした状態を「本人の癖だから」と簡単に考えてしまいがちですが、お口周りから歯に加わる力は、歯並びや噛み合わせにも関係します。
MFTでは、単に舌を鍛えるのではなく、舌の位置や動かし方、唇の閉じ方、飲み込み方などを確認し、正しいお口の使い方を身につけることを目指します。
普段、舌がどこにあるか意識したことはありますか?
舌は何もしていないときにも、適切な位置があります。
舌先は上の前歯そのものを押すのではなく、その少し後ろ側に位置し、舌全体が上顎側に収まっている状態が基本です。
しかし、舌が下がっている「低位舌」や、舌で前歯を押す癖があると、歯に継続的な力が加わることがあります。
歯は弱い力であっても、長時間繰り返し力が加わることで位置に影響を受けることがあります。
そのため、小児矯正では歯そのものだけではなく、舌の位置も大切なチェックポイントになります。
MFTで確認するポイントの一つが「飲み込み方」です。
食べ物や飲み物を飲み込むときに、舌を前方へ出したり、前歯を舌で押したりする癖がみられることがあります。
このような舌の使い方が続くと、上下の前歯が噛み合わず隙間ができる「開咬」などの噛み合わせに関係する場合があります。
本人にとっては毎日無意識に行っている動きなので、「舌で歯を押さないで」と言われただけで直すことは簡単ではありません。
そこでMFTでは、正しい舌の位置や飲み込み方を繰り返し練習し、自然に行えるようになることを目指します。
何もしていないときに口が開いている、いわゆる「お口ポカン」が気になるお子さんもいます。
唇を閉じる力や舌の位置などが関係している場合には、MFTによってお口周りの筋肉の使い方を練習することがあります。
ただし、口が開いている原因がすべて筋肉の使い方にあるとは限りません。
鼻づまりやアレルギー性鼻炎などによって鼻呼吸がしにくく、口で呼吸している場合もあります。
そのようなケースでは、MFTだけで解決しようとするのではなく、必要に応じて耳鼻咽喉科などで原因を確認することも重要です。
お子さんの状態によって内容は異なりますが、MFTでは舌や唇を正しく使うためのさまざまな練習を行います。
例えば、舌先を正しい位置につける練習、舌を上顎につける練習、唇をしっかり閉じる練習、正しい飲み込み方を身につける練習などがあります。
歯科医院で方法を確認するだけではなく、自宅で繰り返し練習することも大切です。
毎日少しずつ続けることで、意識しなければできなかった動きを、普段の生活の中でも自然に行える状態へ近づけていきます。
特に小さなお子さんの場合には、ご家族の協力も重要です。
矯正装置によって歯を適切な位置へ動かしても、舌で歯を押す癖などが残っていると、歯には日常的に力が加わり続けます。
そのため、歯並びや噛み合わせに影響しているお口の癖がある場合には、矯正治療と並行してその原因にも目を向けることが大切です。
小児矯正は「歯をきれいに並べること」だけが目的ではありません。
成長期だからこそ、歯の生え変わりや顎の成長とともに、舌・唇・頬などのお口周りの機能も確認していきます。
ただし、すべてのお子さんにMFTが必要なわけではありません。歯並びや噛み合わせ、お口の使い方などを確認したうえで、必要性を判断します。
インターネットや動画などでも、舌のトレーニングを目にする機会が増えています。
しかし、お子さんによって歯並びや噛み合わせ、舌の癖、口が開いている原因などは異なります。
間違った方法を繰り返すのではなく、まず現在のお口の状態を確認し、その子に必要なトレーニングを行うことが大切です。
「いつも口が開いている」
「舌で前歯を押している」
「食べるときに舌が出る」
「発音するときの舌の動きが気になる」
「前歯が噛み合っていない」
このような様子が気になる場合には、矯正歯科で一度相談してみましょう。
成長期のお子さんのお口は、日々変化しています。
小児矯正では、現在の歯並びだけを見るのではなく、永久歯への生え変わりや顎の成長、噛み合わせ、舌や唇の使い方なども確認することが重要です。
MFTは、その中で必要に応じて行われるトレーニングの一つです。
矯正装置だけに頼るのではなく、お口周りの機能にも目を向けることで、より良い歯並びや噛み合わせを目指していきます。
お子さんの歯並びだけでなく、舌の位置や口呼吸、お口の癖などが気になる場合も、矯正歯科へご相談ください。
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